避妊だけでなく、生理不順や生理痛の改善などにも効果的なピルは、多くの女性が活用しています。
しかし、ピルを服用しはじめてからデリケートゾーンが臭くなった…と感じる人もいるようです。
その原因は、ピルによって女性ホルモンが変化することにありました。
- ピルの服用でデリケートゾーンが臭くなる原因
- ピルの服用をやめずに臭いケアをする方法
このページの目次
ピルの服用が原因でデリケートゾーンが臭くなる理由
ピルの服用とデリケートゾーンの臭いの変化には関係があります。
主な原因として考えられるのは、女性ホルモンが増加することによる体質の変化と、尿の臭いや性行為によるものです。
ピルによる女性ホルモンの変化が原因
基本的におりものの量は生理周期による女性ホルモンの量に比例しているので、生理前は女性ホルモンが増えておりものが増加する時期です。
そして妊娠をすると排卵がストップし、常に女性ホルモンの量が多くなります。
ピルを服用することで体が妊娠中と同じような状態になるので排卵をストップさせることができますが、おりものの分泌量も常に多い状態になります。
このメカニズムにより、ピルを服用して増えたおりものが下着に付いて酸化したり、蒸れて雑菌が繁殖してしまい、デリケートゾーンの臭いをキツくさせてしまうんです。
ピルによって体温が上がるので多汗になるのが原因
おりものの量と同じく、基礎体温も女性ホルモンの分泌量が多い生理前に高温になりますが、ピルの服用で常に女性ホルモンが多く分泌されるので、その分体温が高い状態が続きます。
体温が上がることでほてりを感じたり、汗をかきやすい状態になり、デリケートゾーンが蒸れてしまうほか、アポクリン汗腺からも活発に汗が出るようになります。
アポクリン汗腺は汗以外にたんぱく質や糖質なども排出していて、それが皮膚に存在する細菌に分解されると、わきがのような悪臭を発することが特徴です。
ピルの服用で基礎体温が高いと、蒸れとアポクリン汗腺の活動の両面でデリケートゾーンが臭くなりやすくなってしまうんです。
ピルの服用によって臭いに敏感になる事が原因
ピルにも含まれている卵胞ホルモンには、嗅覚を研ぎ澄ますような作用が存在します。
俗話では本能的に自分とは似ていない遺伝子の相手を見つけるために男性が出すフェロモンを感じ取りやすくする作用があると言われ、臭いに敏感になることでめぼしい男性を見つけて子孫を残そうとします。
嗅覚が敏感になると他の臭いも感じ取りやすくなり、自分のデリケートゾーンの臭いがいつもよりはっきり嗅ぎ取れてしまうため、デリケートゾーンが臭くなったと感じてしまいます。
ピルの服用によって尿が薬品臭くなるのが原因
例えばコーヒーを飲むと尿からもコーヒーの臭いがすることがあるように、体に入れた成分が尿に溶けだして臭いを発することがあります。
ピルも薬品であるため尿に薬のような臭いが交じり、排泄時にデリケートゾーンやアンダーヘアに付着して拭き取れてないことが臭いがキツくなった原因である可能性として考えられます。
コンドームを付けない性行為
ピルの服用は避妊になるので、コンドームを着用せずに性行為をしても安全だと考える人もいます。
確かに妊娠はしにくくなりますが、男性が感染源となり性感染症にかかってしまう恐れもありますし、膣内に出された精子が残り悪臭となるケースがあります。
ピルを飲んでいてもしっかりとコンドームを使用し、感染予防と精液を膣内に残さないようにすることが臭い対策に繋がります。
ピルでデリケートゾーンが臭くなりやすい人の特徴
体質によって如実に影響が出る人、あまり影響が出ない人が存在します。
ピルを飲み始めて間もない人
ピルを服用していないうちは生理周期によって女性ホルモンが増減していますが、ピルを飲むとその日のうちに女性ホルモンの量が変化し、効果を発揮します。
体内で女性ホルモンが急激に増えると上記でお話した体質の変化が起き始めるので、ピルを飲んですぐの人は、いきなりデリケートゾーンの臭いが変化したように感じるんです。
ピルを飲む前に普段から生理不順だった人
ピルは、生理不順やPMS、生理痛の症状改善に用いられることがあります。
生理不順は生理前に分泌される女性ホルモンの量が少ないときなど、バランスの乱れで引き起こされるものですが、ピルの服用で足りない女性ホルモンを補い、正しく生理が来るようにコントロールできます。
普段から女性ホルモンが正常に分泌されていなかった人ピルを服用して一気に分泌量が増えれば、おりものの量が急に増える、臭いがキツくなるといった変化が出やすくなります。
ピルの服用をやめずに出来る臭いのケアについて
デリケートゾーンの臭いが気になり始めたからといって、ピルの服用を簡単にやめるわけにはいきませんよね。
そこで、ピルを飲み続けながらでもできるデリケートゾーンの臭いケアを行いましょう。
デリケートゾーンの蒸れ対策
ピルの服用で女性ホルモンが増えるので、おりものの量が増えて基礎体温が高くなるため蒸れやすい状態になります。
体温や湿度を外に逃がしやすいように、通気性の良い環境を作りましょう。
例えば、
- おりものシートはなるべく使わない
- 下着は綿やコットン100%のものを着用する
- 窮屈になるズボンは履かない
これらを意識するだけでも通気性が良くなります。
また、アンダーヘアも通気性を悪くし蒸れやすさの原因になるので、日頃からお手入れをして量や長さを減らしておくのも効果的です。
食生活を改善して体質を変える
普段から口にする食べ物も、体臭やアポクリン汗腺からの嫌な臭いに影響します。
例えば肉中心の食事は脂臭い体臭になりますし、にんにくやキムチに含まれるアリシンは体臭を強めてしまいます。
食品や偏った食生活でデリケートゾーンの臭いがキツくなりますが、ピルの服用で汗をかきやすく蒸れやすい状態になるため、余計に臭いを強めてしまうんです。
野菜を多く摂ったり、添加物を控えるだけでも改善できるので、日頃の食生活を見直してみましょう。
食べ物とデリケートゾーンの臭いの関係や、改善方法をまとめたこちらの記事も参考にしてみてください。

専用ソープで雑菌の繁殖予防
石鹸を使って清潔に保つことは大事ですが、一般的なボディーソープのように洗浄力が強かったりアルカリ性だったりすると、刺激が強いためにデリケートゾーンに悪影響を与えてしまいます。
そこで、膣周辺のphバランスを崩さないデリケートゾーン専用のソープを使いましょう。
雑菌を侵入させない乳酸菌の働きに影響を与えずに洗えるので、膣の自浄作用を損ねません。
さらに抗菌・殺菌作用のある専用ソープであれば雑菌の繁殖を防げますし、消臭効果で臭いにくいデリケートゾーン環境を整えられます。

この記事のまとめ
ピルの服用によってデリケートゾーンの臭いがキツくなるのは体質の変化によるものであり、おりものや膣内に悪影響を与えているわけではありません。
どうしてもおりものの量が増えて蒸れやすくなってしまうので、通気性を良くしたり、雑菌を繁殖させない環境作りが得策です。