臭いの原因

デリケートゾーンが臭いときに考えられる病気・症状・対策を解説

医師の診察を受ける女性

デリケートゾーンの臭いの悩みは世代を問わず、多くの女性が頭を悩ませる問題です。

そしてこういった悩みは、家族や友達などに話をすることが恥ずかしく、相談出来ないのが実情です。

ただ、デリケートゾーンが臭い場合、その原因が性病など病気の可能性もあります。

中には深刻な問題に発展する可能性もあるので、できる限り早めに対処をした方がいいです!

このページでは、デリケートゾーンが臭いとどのような病気や症状が考えられるのか?対策にはどんなものがあるのか?そのあたりをまとめましたのでご覧ください。
このページで分かる事
  • デリケートゾーンが臭いときに考えられる病気・症状
  • 病気が原因でデリケートゾーンが臭うときの解決策

デリケートゾーンの正常(普通)な臭いやおりものの状態

そもそもおりものは、子宮内膜や子宮頚管などから出たものであり、膣内をばい菌や乾燥から守るためにあります。

なので、おりものは何の異常がない時でも出るものです。

最もおりものが出る排卵期においては半透明で白みがかった色で、ゼリーのようなものが出てきます。排卵期を過ぎると、粘り気が見られ、色も黄色を多少含むものへ変化します。

臭い自体は無臭の時もあれば、やや甘酸っぱい臭いの時があります。

この甘酸っぱい臭いはデーデルライン桿菌と呼ばれる乳酸菌が元になっており、健康な女性の膣内にいるものです。

透明度が見られないようなケースや悪臭を感じ取った場合などは何かしらの病気、異常を抱えている可能性が高く、注意が必要です。

デリケートゾーンが臭いときに考えられる病気と症状

本来なら少し酸っぱい臭いがするところ、デリケートゾーンから悪臭が出ているとなると、細菌に影響され性感染症を引き起こしている可能性があります。

デリケートゾーンの病気として何を疑えばいいのか、色や臭いだけでなく、様々な観点から観察し、想定される病気や症状を絞り込むことが必要です。

①おりものが甘酸っぱい臭いでかゆみがあるならカンジダ膣炎

カンジダ膣炎はカビであるカンジダ菌が膣の中で異常繁殖することで起こります。

カンジダ菌は腸の中や皮膚、粘膜にもいる常在菌で、乳酸菌のデーデルライン桿菌によって普段は抑えられています。

しかし、免疫力の低下やホルモンバランスの変化、高温多湿の環境によって繁殖が起こりやすくなり、結果的にカンジダ膣炎を引き起こします。

カンジダ膣炎の症状

  • におい…無臭もしくは少し甘酸っぱい臭い、炎症があると鼻を突く臭いがする。
  • おりもの…白く濁り、おかゆや酒かす、ヨーグルトのような粘り気がある。塊になることも。

激しいかゆみに襲われることが多く、炎症が進行すると出血しやすくなり、他には膣や外陰部の灼熱感や性行為を行った際に痛みを感じることがあります。

感染初期のおりものはほとんど無臭ですが、症状が進行するとツンと鼻を突く臭いが出ます。

カンジダ膣炎の治療と対策

膣の中と外陰部で治療を行っていき、膣の中には抗真菌剤を注入します。

外陰部には同じく抗真菌剤の軟膏を塗り、およそ1週間で症状は落ち着きます。

市販の薬もありますが、あくまで再発用の薬です。

医師からカンジダだと診察を受け、膣内の治療も行ったうえで使用しましょう。

カンジダの感染は蒸れが原因になることがあるので、デリケートゾーンの通気性を良くすること、デリケートゾーン専用の洗剤で優しく洗うことなどを心掛けることをおすすめします。

②生臭く黄緑色のおりものは細菌性腟炎

カンジダ膣炎同様、免疫力の低下やホルモンバランスの変化などで膣内の乳酸菌が減り、そこに細菌や雑菌が繁殖して起こります。

妊婦の3割が発症する病気とされ、流産や早産といったトラブルの原因にもなり、早期発見と治療が必要不可欠です。

細菌性腟炎の症状

  • におい…魚が腐ったような臭い、悪臭。
  • おりもの…水っぽく量が多い。灰色や黄色の膿のようなものが出てくる。

カンジダ膣炎のように灼熱感や腫れなどを感じることがある一方、カンジダ膣炎よりかは激しいかゆみにはなりにくく、無自覚のまま症状が進行する可能性があるので注意が必要です。

細菌性腟炎はおりものの臭いの変化が特徴的で、下着やズボンを履いていても生臭く、魚が腐ったような強い悪臭を発します。

細菌性腟炎の治療と対策

カンジダ膣炎同様、膣の中に抗真菌剤を挿入し、外陰部に軟膏を塗って1週間から10日、治療を行います。

発症した時に膣の中を洗う膣洗浄で症状を抑え込むことが出来ますが、洗いすぎは逆にカンジダ膣炎や細菌性膣炎を招きかねないので洗いすぎはいけません。

③生臭く黄色か緑色の膿が混ざったおりものは淋病

淋菌に感染することで引き起こされる性病の一種です。

性交渉はもちろん、粘膜に触れることでも感染します。

子供を出産する際に感染することがあり、眼に症状が出て失明の危険があるなど、妊婦にとって決して他人事ではないものです。

淋病の症状

  • におい…普段と変わらないが、時に生臭さを感じることも
  • おりもの…黄色い膿のようなものが出てくる。緑色のケースも

女性よりも男性が強く症状が出やすく、女性の方が無自覚なことが目立ちます。

黄緑色がかったおりものが増えるので、雑菌が繁殖して生臭さを感じる人も多くいます。

肛門のかゆみや排尿時の痛みなどが見られる一方、淋病特有の症状は少なく、クラミジアなど別の性病と間違うケースもあります。

淋病の治療と対策

抗菌剤を服用するか、注射ないし点滴が行われます。

数日程度服用することで改善されることがほとんどですが、耐性がついており、複数の抗菌剤を用いるケースも見られます。

相手が淋病ではない人との性交渉を行うことが最大の対策であり、避妊具をつけても防ぎきれないことがあるので、相手の安全性が確認できなければ性交渉は行わないことも選択肢の1つとなります。

④イカ臭く膿のようなおりものはクラミジア

クラミジア・トラコマティスと呼ばれる細菌によって感染する性病がクラミジアです。

感染経路は性交渉のケースがほとんどです。

女性は症状に出ないケースが多く、知らないうちに相手を感染させていたというケースもあります。

妊婦の場合、出産の際に赤ちゃんに感染させてしまう可能性もあるので注意です。

クラミジアの症状

  • におい…イカ臭い、公衆トイレのような臭い
  • おりもの…粘り気もしくは膿のようになり、白身がかかった黄色が特徴

クラミジアに感染した初期段階では大きな変化はなく、若干水っぽくなる程度です。

範囲が子宮にまで行くと子宮頸管炎を起こし、おりものにようやく変化が現れます。

おりものの臭いはかなりキツくなり、イカ臭さや公衆トイレのような臭いに例えられます。

軽い下腹部痛やわずかな不正出血が見られるものの、軽い症状が多く見落とされることが多いです。

クラミジアの治療と対策

クラミジアの活動を抑えるため、抗菌薬を服用してこれ以上の増殖を防ぎます。

薬の種類はいくつかありますが、マクロライド系が有名です。

2週間の投与を行い、1か月後改めてクラミジアの検査を行って陰性であることを確かめます。

オーラルセックスや肛門性交も含めた性交渉による感染がほとんどなので、むやみやたらに性交渉しないことやクラミジアの検査で陰性であることを確かめて行うなど、対策は限られます。

⑤異臭が強く黄色い泡状のおりものはトリコモナス膣炎

男性の尿道などに潜んでいた腟トリコモナス原虫が膣内に入って感染する病気です。

性交渉の中で感染することが多いですが、お風呂場やトイレ、タオルなどが感染ルートになります。

デリケートゾーンが触れやすい環境では感染しやすく、中高年の方や幼稚園や小学生の子供でも間接感染を引き起こすことがあります。

トリコモナス膣炎の症状

  • におい…強い悪臭を放つ。生臭さを感じる
  • おりもの…黄色く膿のようなものがたくさん出てくる。症状が進むと緑がかって泡状に

性器周辺がかゆくなる、膣が赤くなり痛みを感じるなどの症状が見られ、膀胱にも感染が広がると用を足す際にも痛みを感じます。

生臭い悪臭を放ち、泡状のおりものが出ることが特徴です。

感染経路は性行為だけでなく、感染者が使用したタオルや便器に付着した菌からも感染するため、小さなお子さんでも感染する可能性があります。

トリコモナス膣炎の治療と対策

抗菌薬を1週間から10日かけて服用しますが、これを夫や恋人にも行うのが原則です。

服用中や服用終了後3日間はお酒が飲めません。

服用終了後2週間で陰性かどうかを確かめます。

避妊具をつけることが有力な対策法であり、家族がいる場合はタオルなどは常に新しいものを使うことが求められます。

デリケートゾーンが臭くなる原因となる病気になりやすい理由

ここまでデリケートゾーンの臭いにつながる病気を紹介してきましたが、実際にデリケートゾーンが臭くなる原因は何なのかを知ることが必要であり、デリケートゾーンが臭いと言われないよう、日常生活の中で注意していくことが大事です。

①膣内に雑菌が繁殖した

乳酸菌のデーデルライン桿菌によって、膣内は酸性をキープしています。

アルカリ性のボディーソープを使うなどして酸性をキープできなくなるとバリア機能が失われ、雑菌が繁殖しやすくなります。

膣内でとどまるうちはまだいいものの、これが子宮にまで雑菌が繁殖すると膿のようなおりものや悪臭が漂います。

②抗生物質の服用で菌が感染しやすい状態に

抗生物質は抗菌薬とも呼ばれるので、菌を死滅させるためのものです。

しかし、抗生物質は病原菌となる悪い菌ばかりでなく、自浄作用の役割をする必要な常在菌も死滅させてしまいます。

常在菌を減らしてしまうことで別の菌の繁殖を許し、カンジダ膣炎や細菌性腟炎の発症の原因に繋がります。

③ストレスや不規則な生活での免疫低下

人間は強いストレスがかかると自律神経に乱れが生まれ、それが免疫力を弱めさせます。

不規則な生活習慣も同じであり、血流を悪くして結果的に免疫力が下がってしまい、それが膣内の自浄作用を弱めてデリケートゾーンが臭う雑菌を繁殖させてしまうんです。

④膣を洗いすぎている

きれいにしなくちゃ!という一心で膣まで洗う人がいますが、細菌を抑制する弱酸性のphバランスが崩れるほか、必要な常在菌まで洗い流してしまいます。

洗いすぎは逆効果になるので、膣周辺の恥垢やおりものなど洗うよう心がけましょう。

⑤性行為による感染

おりものが臭い、デリケートゾーンが臭う感染症にかかる最大の要因は性行為の影響です。

性感染症の原因となる細菌は粘膜に存在するので、体液が付着した手で陰部に触ったり、口での性行為でも感染します。

避妊具をつけても完全に防ぎ切れるわけではなく、相手がそもそも感染していないことを確認してからでないと安心はできません。

性感染症の疑いがある時はどこで受診すればいいのか

デリケートゾーンから悪臭がする原因が性感染症によるものである場合、どのような行動・対処をすればいいのか?必須の対処法について解説します! 

デリケートゾーンの悪臭が性感染症が原因である疑いがある場合、すぐに産婦人科に行きましょう。

皮膚科よりも産婦人科のほうが専門性も高く、性病の検査なども行えるので治療に向けた対策をすぐに立てられます。

性感染症は、放置していれば自然治癒するものではありません。

症状が悪化すると子宮や卵巣まで菌が侵入し、子宮外妊娠や不妊の原因になります。

また、性行為や口でのオーラルセックスでもパートナーに感染させてしまうため注意しましょう。

病院での性病検査が恥ずかしいという方は以下の記事をご覧ください↓

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現在では薬局にデリケートゾーン用の市販薬が販売されていますが、かゆみやかぶれなどの症状を軽減させるためのもので、菌を死滅させるものではありません。

カンジダ用の市販薬はメジャーですが、病院でカンジダだと診察を受けた人に有効なものです。

デリケートゾーンの異臭はカンジダ以外の感染症である可能性もあるので、正式な病名、症状を知って処置を行ってもらうのが一番です。

治療中はおりものシートや下着はこまめに交換する、通気性のいい綿素材の下着を着用するなど、デリケートゾーンの通気性を高めて蒸れを防止し、細菌を繁殖させない環境を作りましょう。

この記事のまとめ

デリケートゾーンの臭いは、性感染症が原因であることが考えられます。

病気の種類によって臭いの特徴がことなりますが、臭いの強弱やおりものの状態には個人差があるものです。

症状が出にくい感染症もあるので、自己判断で放置しておくと不妊や卵巣系の病気に繋がり、取り返しのつかない結果を招く恐れがあるので注意してください。

かゆいのが長期間続く、おりものに異常が見られた、そんな場合はすぐに産婦人科に駆け込んで治療を行うことが大事です。
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